ニホンヤモリの飼育方法

2021年12月8日

いや、ホントはちゃんと撮影したかったんですが、出てこないもの

先日、家の周りの落ち葉を掃除していたところ、サッシの隙間からなんか出てきました。

「えっ?何?」と思って見てみたらヤモリじゃないですか。

冬眠しようとしていたところを邪魔してしまったみたいです。

ごめんごめん…とそのまま野外に返そうと思ったのですが、なんか動きが悪い…どうやら弱っているようで、壁を登ることもできません。

しかもよく見ると脱皮不全を起こしているのか、身体に皮が残っています。

いやはや、どうしたもんかと思いましたが、結局飼うことにしました。

というわけで、今回はニホンヤモリです。

ニホンヤモリとは

学名:Gekko japonicus

学名もそのまんま、「日本のヤモリ」という意味です(Gekkoはヤモリの意)。

日本全国に広く分布している…そうなのですが、私は実家周辺(ド田舎)で見たことがありません。

実はニホンヤモリはどうやら外来種らしいのです。

といっても、日本列島に来たのは平安時代以降と考えられているようでかなり歴史は古いです(当時の文献や遺伝子を調べた結果だそうです。ヤモリという動物が認識されているのがどうやらそのくらいみたいです)。

ニホンヤモリは人間の活動と共に生息範囲を広げていったようで、人家が比較的多い地域(市街地)に生息しているようなのです。また、比較的暖かい場所を好むようです(これも人家周辺に多い理由です)。

なので、私がヤモリの実物を見たのはかれこれ10年以上前にインターンシップで横浜に行ったときが初めてでした。

小さい頃、図鑑を愛読していた私はニホンヤモリの分布地域が「本州、四国、九州」と書いてあるのに、なぜ実家周辺に生息していないのかとても疑問に思っていました。

ヤモリを求めて夜な夜な近くの街灯を見に行ったこともあります(怖かったなあ…)

そんな憧れの存在だったので、横浜で本物のニホンヤモリを見たときはテンション爆上がりでめちゃ興奮しました!!

本物、ホンモノのヤモリやん、めっちゃ普通におる…….!!

……月日は流れ、今は普通に自宅にいます。室内にもよく子供が現れます。いる場所には普通にいるんやな…

前にウチのネコが嬲り殺して食ってるときはドン引きました。

いくら元野良ネコだからってワイルドすぎる。

ああ、私の憧れが….やめてくれ…

そうそう、ニホンヤモリとはいうものの、本種は中国東部にも生息しています。かの有名なシーボルト先生が日本で捕まえて記録したので、学名も「日本の(japonicus)」がついてしまったそうです。

ウチのネコに追いかけられているところを救出した赤ちゃんヤモリ

飼い方

飼い方は普通のヤモリの飼い方です。って、「普通」っていうのがよくないんだよな…

ちなみにニホンヤモリのようなグループを一般的に「ハウスゲッコー」と呼んだりします。

家にいるヤモリのグループということで、飼育のノウハウは共通している部分があったりします。

【ケージ】

プラケースの大を使っています。彼らは縦方向の動きを好むので、どちらかというと縦長の飼育容器が適しています。

ちなみにウチの子は壁がまだ登れないので、下にばっかりいます…

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【レイアウト】

床材はキッチンペーパーを敷いています。この辺は好みですが私は機能性重視にしています。

壁から床の獲物めがけてダイブすることもあるようなので、クッション性があると望ましいようです。

ヤシガラマットなんかだと消臭力もあるし、保湿性もあるので使っている方もいるようですね。

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上部空間には木の枝を組んで立体行動ができるようにレイアウト。あと、鉢底ネットを立てかけて登れるようにしています….が、繰り返しになりますがウチの子はまだ壁が登れないのか登ってません。

というか、普通は水槽だろうが壁面を普通に上ります。足の裏がマジックテープみたいになっているので、極小さな凹凸を利用して登れちゃうんですね(普通は)。

また、湿度保持のために一部にミズゴケを湿らせたものを置いています。植物も空中の湿度保持になるので、私は百均で仕入れたポトスを置いています。見た目もいいです。

あとは隠れ家にボール紙を折ったものを伏せました。だいたいここに隠れてます。

レイアウトの一例

【エサ】

ニホンヤモリは基本的に生きて動くエサしか食べません。というわけで生きているエサ(昆虫)が必要になります。

これがネックなんですよね…もう冬だし。買わなければいけません。

そんで、そのエサを生かしておかねばなりません…そう、「エサを飼う」必要があるのです。

めんどくっさ…が、しょうがない。乗りかかった舟なので購入しました(エサのストック方法についてはまた書きたいと思います)。

私はヨーロッパイエコオロギ(略してイエコ)を使っています。ミルワームやフタホシコオロギなんかも使えるようですが、ミルワームは栄養の偏りがあるし、フタホシは外皮が固いみたいなので、柔らかい(らしい)イエコにしました。

これを生きたまま与えます。ちなみに、コオロギも栄養が偏っている(リン分が多いらしい)のでカルシウム剤やビタミン剤をまぶして与えてください(ダスティングと言います)。

基本、ケージに放り込んどくだけですが、食べ残しはちゃんと取り出してください。ヤモリがかじられたりします(^^;)

慣れればピンセットから食べるようにもなります。ウチの子もピンセットから食べてます。

って、飼い始めて2週間くらいなので、かなり早いような…わざと捕まったのか?(笑)

【温度】

25℃くらいを保つのが無難です。ニホンヤモリは冬眠する…といわれているのですが、どうやら人家などのなるべく暖かい場所を探して冬眠しているようなのです。これが厳寒地や田舎にいない理由のひとつです。

したがいまして、冬場は保温するのが無難です。私はパネルヒーターを使用しています。

ケージ内には温湿度計を取り付けて、こまめに確認してください。

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【メンテナンス】

様子を見て霧吹きしてください。彼らは「動く水」しか認識しません。

どういうことかというと、水入れに水を入れといてもほとんど飲まないのです。

例えば、壁についた水滴なんかで水分補給しています(もちろんエサからも)。

水分補給と空中の湿度を保つためにも、冬場は1日1回くらいは霧吹きしてあげてください。

湿度不足は脱皮不全の原因にもなります。

雑感

書いといてなんですが、飼うのがめんどくさそうな印象しか与えていないような….(^^;)

でも、良いんです。生き物を飼うのは手間が非常にかかります。

ニホンヤモリだってその辺にいる生き物かもしれませんが、立派なひとつの命です。

気軽に飼うものではありません。ある程度の覚悟が必要です。

この記事を読んでもなお「飼ってみたい!」と覚悟が決まった方は十分に準備して飼ってみてください。

エサ食べた後に、顔をぺろぺろ掃除している姿はかわいいですよ…(^^#)

あ、そうそう、ちなみに、ほとんどペット市場には流通してないようなので、飼いたい方は自分で捕獲するしかありません…暖かい季節が来たら、探してみてください。

ヤモリは「家守・宮守」の意で、家を守ってくれます。

大事にしてあげれば、きっと幸運がアナタにやって…くるかもしれません(^^)

我が家の雨戸についていた卵の殻。ちょっとグロイ